【完】英国紳士は甘い恋の賭け事がお好き!
「え、あの、」
「恋文は読んで頂けたかな?」
その言葉に、なんだかもう消えてしまいたい衝動に駆られる。
そう思うのは、私が都合のいい解釈であの文を和訳してしまったから。
まるで、御伽話のように都合よく。
「その様子だと、意味も分かって頂けたみたいですね」
「あの、あの、あの、あの」
「はい?」
私が言葉を選ぶ間に、広場へと足を踏み込んでいた。
結婚式場みたいな丸いテーブルが何台も庭のあちこちに置かれ、オードブルが並べられ、お酒を運ぶウェイトレスさんやウェイターさんがいる。
笑い合う声や、話している言語は、日本語だけではないように聞こえる。
そんな中、デイビットさんは私が話しだすのを、ゆっくりと優しい瞳で待っていてくれていた。
「Up to you.て、私しだいって事ですよね?」
「そうですね。貴方が、桜の木の下で泣くだけで癒されるならば、あの鳥籠にいても私は止めませんよ」
――来て下さい、そうまたエスコートされると、デイビットさんがピンク色のお酒が入ったグラスを二つ手にとって私に差しだしてきた。