【完】英国紳士は甘い恋の賭け事がお好き!
「桜をモチーフに作ってもらったカクテルです。貴方の洋服にも合わせています」
カクテル……お酒なんて御祝い事でしか飲んだことはなかったからドキドキしたけど、甘い香りが胸をときめかせた。
「貴方とこうして話せる幸せと、今日の日に」
乾杯して、デイビットさんは一気にカクテルを飲み干した。
私も一口飲むと、ふんわりとさくらんぼみたいな甘酸っぱい香りと甘さのあとに、お酒独特の苦みが広がって眉をしかめてしまう。飲みやすくて、甘くて美味しいとは思うけど、お酒には慣れない。
「お酒の苦みも慣れると癖になりますよ」
「そ、うですね」
へらりと笑う私に、イギリスの代表的料理でるローストビーフやミートパイ、別皿にスコーンやマフィンを取ってくれた。
色んな方がすれ違う度に、デイビットさんにそれぞれの言語で話しかけていたが、それににこやかに対応していた。
今日は立食イベントだから、食べた人から自由に帰っていいらしい。
6月にあるエリザベス女王のご生誕を祝うイベントでは、コース料理が振る舞われるらしい。
「私はそれまで忙しいですが、――それでも貴方と会う時間は必ず作りたいと思っていますよ」
「デイビットさん」
「私の、鳥籠の中の愛しい愛しい恋人」