君と、優しくて愛しい日々を。
すると、ふとナツは笑うのをやめた。
そして、ふぅ、と白い息を吐く。
「……付き合ってんのに、遠距離ってだけで想い続ける自信無くして、別れたりもすんのにな。…お前は夏の俺だけで一年間、片想いし続けてたんだもんな」
ハッとして、目を見開く。
ナツは私を見て、愛おしそうに目を細めた。
「…スゲーなぁ、って思ったよ」
じわ、と。
私の瞳に、涙がにじんだ。
「…なに泣いてんのー」
「…っ、だってさぁ〜」
…ホント?
あのときの告白、全然届いてなかったわけじゃないって、思ってもいい…?
ナツは目を細めながら、私の涙を拭う。
冷えた頬に、彼の暖かな指が触れた。