君と、優しくて愛しい日々を。


私は、純くんの周りに女の子が集まるのは、もう仕方ないことだって思ってる。

格好いいし、王子様だし、いちいち気にしてたら身が持たないし。

他の女の子と喋らないで、なんて縛りたくもないから。


ときどき妬いちゃうこともあるけど、純くんが私に対してやきもち妬いたりしないから、我慢してたんだよね。

私と付き合ってからは女の子と遊んだりしてないみたいだし、純くんのこと信じてるから。

いいかな、って思ってたんだけど……



「……やき、もち…かぁ」



チャイムが鳴っても、先生はまだ教室に来ない。

クラスメイトたちは、楽しそうに雑談してる。

ざわざわと騒がしい教室の端の席で、私はぽつりと呟いた。


さっきの彼の、男子達に向けてた目と、私に向ける優しい優しい目。

…もしも最近の純くんが、前よりもっと私のことを好きになってくれてたとして。

だからやきもち妬いてくれてたんだと、したら。


…すごく嬉しい、な。


ポッと、自分で考えて照れる。

にやけちゃいそうになって、必死に堪えた。



< 62 / 86 >

この作品をシェア

pagetop