君と、優しくて愛しい日々を。


……なん、でかな。

立っているのがやっとなほど、余裕がないのは、私も同じだけど。

離さないって言ってるみたいに、何度も何度も腰を引き寄せる、左手も。

頬から、するりと首へ滑る右手も。

酔っちゃいそうなほど甘くて、深いキスも。


心なしか、いつもより余裕がないように感じるのは、なんでだろう。


いつもは余裕たっぷりの純くんが…って思ったら、理由はどうしたって期待してしまう。

今朝のことを思い出して、苦しくなった。


……私の、せい?


その荒々しさも、それに反して深いキスも。

……私のこと、好きだから…?



「……ふ、ぁ」

膝の力が抜けて、がく、と崩れ落ちる。

咄嗟に純くんが支えてくれたけど、やっぱりその場にへたり込んでしまった。


顔が、熱い。

なんだかもう、どこもかしこも熱い。

純くんは荒くなった息を整えながら、同じように蒸気した顔で、私を見つめた。



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