君と、優しくて愛しい日々を。


今度は私がムッと頬を膨らませて言うと、コウは『んー』と、困った顔をした。

『…そりゃ、わかんなくもないけどさ……』

コウが、こちらを見つめる。

私はムッとした顔のまま、じっと彼を見上げた。


『……やだ。恥ずかしすぎて、どうにかなる』


その瞬間、コウの顔が赤くなった。

それにびくりとして、私まで赤くなって。

コウが『…じゃあ、さぁ』と言い出すまで、何も言えなかった。



『……今度の練習試合で、俺がスリーポイント六本決めたら、してくれる?』



……え?

驚いて、コウを見る。

彼は頬をわずかに染めて、ニッと笑った。

『俺も頑張るから。そしたら、麻佑も頑張ってね』

……そ、そりゃ、ひとりでスリーを六本も決めるなんて、できたらスゴイけど。

ほ…本気?


『いい?』

『……わ、私はいいけど…コウは、それでいいの?』

『うん。今日は、これで我慢するから』

そう言うと、彼は再び私の頬に手を添えた。

驚いて思わずぎゅっと目をつぶると、頬に何かが触れて。

ちゅっという音がすると、私は目を見開いた。



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