君と、優しくて愛しい日々を。
『………ええっ!』
コウの顔が離れて、バッと後ずさる。
こいつ、頬に……キスした!?
『アハハ、これならいいんだ?やった。毎日できるかもね』
『ままま、毎日!?』
『冗談。あ、わかんない。俺の気分次第』
気分次第!?
コウの気分次第で、私は毎日頬にキスされるの!?
無理!!死ぬわ!!
どっくんばっくん脈打ち続ける心臓と、引くことのない顔の熱さを抑えていると、コウが私を見つめて嬉しそうに笑った。
『ふは。麻佑、かわいー。練習がんばろ』
……ほんと、ずるい奴。
私がいつものように『あっそ』と唇を尖らせると、コウは愛おしそうに目を細める。
その瞳が、視線が、苦しくて。
…やっぱり、死ぬかも。
コウはその後、私に『好きだよ、麻佑』なんて言葉を吐いて。
ニッコリと笑いながら、自分の家へ帰って行った。
*
結局コウは今日の試合で、スリーポイントをきっちり六本入れて見せた。