切れない鎖

部屋に戻ると、ユルサルが起き上がり、布団に座っていた。

今起きたばかりのようで、目を擦っている。

部屋に入ってきた優輝を見て、

「一条?」

と、首を傾げる。

「おはよう、というよりも、もうこんばんはかな。よく眠れた?」

ユルサルは頷く。

「ここは……」

「僕の家だよ」

辺りを見回すユルサルにそう言うと、

「そうか、日本に来たのだったな」

と呟いた。

そして、

「シャルン・ディスク?」

やっとシャルンとアナに気づいたようだった。

「君の言っていた凄いものとはこれだったのか」

感心したように優輝を見る。

優輝も頷いた。

「えっと、君は……」

「アナ・ヴィークルよ」

名前を知らなかったアナの名前を知り、

「そうか」

と呟いた。
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