切れない鎖

それから少女は家の一室に閉じ込められた。

「出してぇぇえ!お父様ぁ!いっぱいお勉強するから!お父様が国王になれるようにお手伝いするから!」

扉を拳でガンガン叩く。

必死に叫ぶ。

泣きじゃくる。

するとそこに父親がやってきた。

いつも通りの冷たい瞳。

「お父様……」

それでも少女は父親が自分を出してくれるのかと思った。

しかし父親は、

「やめろ。そんなに扉を叩いたら手から血が出る。お前の血は特別なのだ。一滴でも無駄に出来ん」
 
とだけ言い、また戻っていった。

少女は父親が出て行った扉をじっと見つめる。

「大事なのは、私じゃなくて、血……」

そう呟き、少女はずっと泣いていた。
< 72 / 284 >

この作品をシェア

pagetop