イクメンな彼氏
戻ってきた彼は紺のスウェット姿で、いつも軽く流している前髪が真っ直ぐに下りていて艶っぽい。

そのセクシーさに息を呑んで、私は慌てて目を逸らした。

「お待たせ」
すぐ隣に腰を降ろした彼にとりあえず何か話題でも、と考えるけれど何も出てこない。

「比奈」と名前を呼ばれて「ひゃいっ」と変な声を上げてしまった。

「くっくっ」と笑いを噛み殺しながら彼が、「そんなに緊張されると襲えないんだけど」と目を細くしている。

「だ、だって……」唇を尖らせかけた時、ふいに真顔になった彼にベッドに押し倒されていた。

「大好きだよ、比奈……」
髪をかき分けておでこに唇を当てられ、そのまま唇は耳……首筋へと下りていく。

「あぁっ……。中津さん……」
ぞくぞくと背中を這い上がる快感に彼の名前を呼ぶと、耳たぶを舐めながら「名前で呼んで」と注文をつけられる。

「やっ……恥ずかしい……んっ……」
急なお願いに答えられないでいると急かすかのように耳への愛撫が激しくなって、私は身体をくねらせた。

わざと立てられる水音に興奮が増し、思わず「悠斗さん……」と息を吐き出す。

「よく出来たね」頭を撫でられて唇が塞がれた。
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