イクメンな彼氏
「簡単だね」
剥き始めた悠斗さんの横で玉ねぎと人参を炒めていたら、「あっ」という声が耳に入ってきた。

彼の方を見るとじゃがいもを持っていた左手の指先に、小さな赤い玉が浮かんでいて、ぽたりとシンクに落ちた。

「大丈夫!?」
慌ててフライパンの火を止めて彼からピーラーとじゃがいもを取り上げ、水道水で傷を洗い流す。

キッチンペーパーを当てて「5分間押さえてて」と彼に指示を出し、寝室の鞄から絆創膏を取ってきた。

実は自分がおっちょこちょいで怪我をよくするからなんだけど、絆創膏ぐらいは持ち歩いている。

リビングに戻るとしゅんとして、「ごめん」と項垂れてる悠斗さんがソファーに座っている。「手伝うつもりが、手間かけさせて」肩を落とす彼を見てると可愛くて胸がきゅんとしちゃう。

でもいつもの仕返し、ちょっと意地悪しちゃおう。

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