イクメンな彼氏
「意外と不器用なんだね。もういいから座ってて」
怒ったふりして絆創膏を貼りながら彼に言うと、さらにしゅんと項垂れる姿が何とも可愛い。

これ以上苛めちゃ可哀想だよね。

にやけてるのを気付かれないように料理の続きに取りかかった。彼はダイニングテーブルに座って時々こちらを気にしながらも、仕事の続きなのかパソコンに向かっている。

「後は煮込んだら完成だよ」
調理器具の片付けを終えて彼の向かいに座ると、パソコンから顔を上げて「ありがと、比奈」と頭を撫でられた。

彼の手が気持ち良いことを気付かれるのが恥ずかしくて、「悠斗さんは本当に料理が出来ないんだね」と意地悪を言ってみる。

彼は気まずそうな顔で自分の親指に目をやる。さっきピーラーで切っちゃった場所。

「うちは母さんも料理下手だし、俺も全然なんだ。理久は料理得意なんだけどね」

「意外。理久さん料理も出来るイクメンなんだ。」

びっくり。
優しそうな顔してるとは思ってたけど、そんな事もできるなんて。
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