イクメンな彼氏
「理久はイクメンじゃないよ。料理は得意だけど、悠理花の世話は苦手だから。

保育園連れてくのは俺か母さんだし、迎えは母さんだし、悠理花と二人きりになったこともないんじゃないかな」

悠斗さんは心外だ、と言わんばかりに反論してくるから何だか可笑しい。
イクメンは俺だってこと?
まだ父親でもないのに。

「お世話はするけど……悠理花ちゃんのことあれだけ甘やかすんだから、悠斗さんに娘ができたら大変だね。
甘甘で、何でも許しちゃうんじゃない?」

からかってみたのに、悠斗さんは何てことない顔で反撃してきた。

「俺の娘ってことは比奈が産むんだよ。
ヤバい……本当に可愛いすぎて、俺ダメなパパになるかも」

私が産む……?
まるでプロポーズみたいな言葉に反応して顔が赤くなるのが自分で分かる。

きっと彼はそんなつもりじゃなくて、ただの雑談なのに。

「ん?比奈、顔赤いよ」なんてとぼけた顔で言われて、「な、なんでもない! カレー焦げちゃうかもっ」と私はキッチンに逃げ込んだ。

勝手に期待しちゃって、恥ずかしいよ。
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