イクメンな彼氏
帰り道、手を繋いで私のマンションまで歩く。離れたくなくていつもよりゆっくり歩いてしまうのは私だけじゃない……と思いたい。

別れ際中津さんは当たり前のように言った。

「クリスマスイブはディナーを予約してあるんだ。平日だけど大丈夫?」

今日再会したばかりなのに予約って……?
私は誰かの代わりなの……?

魔法使いの中津さんはすぐに私の心情を察して「誰かの代わりだと思った?」とにやりと口の端を上げる。

「別に……」

本当は全然『別に』なんて思えてない。
私は自分の中にこんなにも独占欲が渦巻いていることに驚くほど嫉妬していた。

やっぱりこれ以上、中津さんを好きになるのは怖いよ。

「動物園の後、避けられてることはすぐにわかったよ。比奈が一週間もカフェに来ないことなんてなかったからね。

俺も嘘ついてる後ろめたさがあって、クリスマス会の準備で忙しいんだって思い込もうとしてた。

まさか他の男とデートの約束してるとは思わなかったけど」
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