恋愛温度差
冷たい風が頬を撫でていく。
「ワンピースで来てたら怒ってたの?」
「当たり前。あかりがワンピースだから、『オンナ』を意識するような低次元な男と一緒にされたら腹が立つ。脱がされやすい格好でくるなら、速攻で服を買いに行く。俺にすぐ脱がされたいなら話は別だけど」
「脱がされ……ちょ!?」
「ま、どんな格好でも脱がすけどね」
「君野くん!」
君野くんが店のドアをしめて、わたしたちは並んで歩き出した。
「違うの?」
「ちが……く、ない……のかも、しれないけど」
「『けど』?」
君野くんが、右側の眉をくいっとあげて『ん?』とわたしの返答をまつ。
「ん~、それって恋愛からほど遠い生活をしてきたわたしにはレベルの高い問いかけだと思う!」
「俺も恋愛からほど遠い生活してたから、ほぼ一緒のレベル」
「ち、が、う! 常にモテて、引く手あまたなのに恋愛をしてこなかった人と、恋愛したいのにできなかった人とでは立ってる世界が違う」
「あかりは出来なかったんじゃなくて、しようとしなかっただけ。振られるのが怖くて、踏み出さなかった。ずっと一人に固執する必要なんてなかったはずだろ。踏み出してたら成功してたかもしれない。あるいは別の恋愛に吹っ切れてたかもしれない。それをしてこなかっただけ」
「そりゃ、成功したいもの……。好きだから、好きって言って壊れる関係が嫌だった。それだったら親友の妹っていう位置でいたかった」
「それならずっと可愛がってもらえる?って? そんな悠長なことを言ってるから、32歳になっても未経験なんじゃん。23歳の好きでもない男に、大切な処女を奪われてちゃ、なんのための片思いだったの?」
君野くんが、駐輪場とお店の壁の狭い隙間にわたしを押し込んだ。
わたしを壁側に追い詰めると、君野くんは壁に両手をついた。
君野くんの顔が近い。
まっすぐに見つめてくる君野くんの顔がこわいよ。
「ワンピースで来てたら怒ってたの?」
「当たり前。あかりがワンピースだから、『オンナ』を意識するような低次元な男と一緒にされたら腹が立つ。脱がされやすい格好でくるなら、速攻で服を買いに行く。俺にすぐ脱がされたいなら話は別だけど」
「脱がされ……ちょ!?」
「ま、どんな格好でも脱がすけどね」
「君野くん!」
君野くんが店のドアをしめて、わたしたちは並んで歩き出した。
「違うの?」
「ちが……く、ない……のかも、しれないけど」
「『けど』?」
君野くんが、右側の眉をくいっとあげて『ん?』とわたしの返答をまつ。
「ん~、それって恋愛からほど遠い生活をしてきたわたしにはレベルの高い問いかけだと思う!」
「俺も恋愛からほど遠い生活してたから、ほぼ一緒のレベル」
「ち、が、う! 常にモテて、引く手あまたなのに恋愛をしてこなかった人と、恋愛したいのにできなかった人とでは立ってる世界が違う」
「あかりは出来なかったんじゃなくて、しようとしなかっただけ。振られるのが怖くて、踏み出さなかった。ずっと一人に固執する必要なんてなかったはずだろ。踏み出してたら成功してたかもしれない。あるいは別の恋愛に吹っ切れてたかもしれない。それをしてこなかっただけ」
「そりゃ、成功したいもの……。好きだから、好きって言って壊れる関係が嫌だった。それだったら親友の妹っていう位置でいたかった」
「それならずっと可愛がってもらえる?って? そんな悠長なことを言ってるから、32歳になっても未経験なんじゃん。23歳の好きでもない男に、大切な処女を奪われてちゃ、なんのための片思いだったの?」
君野くんが、駐輪場とお店の壁の狭い隙間にわたしを押し込んだ。
わたしを壁側に追い詰めると、君野くんは壁に両手をついた。
君野くんの顔が近い。
まっすぐに見つめてくる君野くんの顔がこわいよ。