空色ユニフォーム
Precious




わたしはまた、カズキ先輩の隣にいた。


後から聞いた話、翔太はわたしと同じ中学に通っていてその上わたしと同学年らしい。
翔太に出会ったあの日から、
わたしの頭のなかには何故か彼がいた。



「みず、クリスマス…あいてる?」

あの酒場の件から1ヶ月ほどが過ぎた日、先輩がわたしのクリスマスの予定について問いただしてきた。

クリスマスはわたしとカズキ先輩の記念日でもある。



「……あいてますよ、」

「よかった。じゃあ駅前に18時半な」


そう言い残して、先輩が昇降口に向かう。
わたしと先輩がいつも決まって会うのは、校庭のブランコ。
ブランコから昇降口は少し離れていて、その昇降口近くの花壇に植えられた花々が肌寒い風に撫でられていた。


…どうしてだろう。


同じ学校で、同じ学年なのに。
翔太に校内で会ったことがないのだ。
一度も、会ったことがない。



どうして、わたしは…




翔太のことばかり考えているのだろう。








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