空色ユニフォーム
カズキさんと付き合い始めて三ヶ月が過ぎた頃、カズキさんはわたしをとある場所に連れて行った。
…「クラブ スティア」という文字が、ネオンランプで装飾された看板が印象的な、
…酒場だった。
その夜、カズキさんは狂ったように、荒ぶるように、お酒を飲み続けた。
途中、カズキさんといつも一緒にいるヒロ先輩がわたしにもお酒を勧めてきたけど、どうにもわたしはそのお酒を飲むことができなかった。
こんな遅くに、まだ中学生の娘が家に戻らないというのにきっと如何わしいオヤジと、如何わしいことを、如何わしいわたし達の家でやってる母親が、よく飲んでいるお酒だったからかもしれない。
「みーず〜。おまえものーめよー」
既に出来上がってしまっているカズキ先輩が、いつもと違うようにわたしの肩を抱きながらそう言った。
そしてその瞬間、カズキ先輩の顔がいつも以上に近くに見えて何か柔らかいものがわたしの唇に触れた。
勢い任せの、キス。
わたしのファーストキスはお酒くさい臭いがした。
好きな人のはずなのに、からだがカズキ先輩を受け付けない。
わたしはカズキ先輩を突き飛ばした。