誤解から始まる恋もある?
このジュースを注文したのは、イケメンの席の向こうにあるテーブルのファミリー。

小さな子供がふたり、朝食を食べ終えて飽きたのか、先ほどからレストラン内をチョロチョロと走りまわっている。

あんなに賑やかな中でイケメンの男性はよく仕事ができるな、と感心する。だって本当に『静かにしなさい!』と怒鳴りたくなるほどうるさいから。

両親もそんな子供たちを注意することなく、話に夢中になっている。

普段はこういった騒がしい感じの家族連れは少ないけど、春休みや夏休みのシーズンは仕方ない。

そのテーブルに向かったとき、子供たちは席を離れ、窓に顔をつけるようにして海を見ていた。

ずっと見ているのだろう、と安心していた。

ところが、籐の椅子に座るイケメンまであと一メートルもないところまで近づいたとき、後ろからなにかがドスンとぶつかった。

その衝撃を受けて、私の身体は斜め前に傾き……。

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