私に恋をしてください!
『ま、まさか奥様が他の男性との間に出来た子とか?』
『おいおい、勝手に物語を作るなよ』

玲奈さんの無責任な憶測を健吾さんが制した。

『健吾くんの言う通りだよ』

専務が重い口を開いた。

『ずっと、私は妻に片想いな状態なんだよ、それをずっと自覚している。葉月に門限も設けたのはなるべく2人きりになることを避けてのこと。そして葉月にお付き合いする男性が現れては困るから、私が良い縁談を持ってくると特になにも準備をしていないことを言い続けてきた。ただ、葉月は間違いなく私と妻の子供だよ』
『あの、失礼ですけど、どのような経緯で葉月ちゃんが生まれてきたのでしょうか』

玲奈さんはぶしつけな質問をするけど、もしかしたら重要なことなのかも知れない。
現に、専務は嫌な顔ひとつせずに答えてくれているから。

『妻が"子供が欲しい"と言ったからだ。絶対にこの日だという計算のもと、1度だけの夫婦生活を持った結果なんだよ』
『何か、呆れますね。奥様も、葉月ちゃんも可哀想。自由にしてあげればいいのに』

玲奈さんは辛辣に専務に言う。
って言うか、玲奈さんはむしろそういう役割を担ってここにいるのかな。
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