私に恋をしてください!
マスターが手製のホワイトシチューを作ってくれていた。

『マスターのシチュー、初めて食べました』

玲奈さんが喜んで食べている。

『お前もホワイトシチューは作るよな』
『悪かったわね。ここまで美味しいのは出来ません』
『今度マスターに教えて貰えば?』
『健吾が教わればいいじゃん。私は食べるの専門』
『まったく、どこまで炊事嫌いなんだよ』

健吾さん夫妻の話を聞くと、また違う夫婦の形があるように思えた。

出会い方も、その後の愛の育み方も、全く同じプロセスを辿るカップルは恐らくいない。

俺達は、周りに惑わされることなく、お互いの気持ちを汲み取って慈しみ合うのが一番良いと思った。

葉月は今頃何をしているかな。
シチューを食べてアパートに帰って風呂に入った後メールをすると、間もなく短編の漫画が1つ出来上がると言う。

"明日、ソラに見せてもいい?"
「いいよ。何なら鍵開けて先にここで待っていて貰って構わないから」

葉月にこの間合鍵を渡した。
先に待っていてくれればマンガを描くことも出来るし、今の季節は寒さもしのげる。
< 176 / 216 >

この作品をシェア

pagetop