私に恋をしてください!
約束の土曜日。
5分前に着いた俺は、改札に彼女を見つけた。

小さい。
しかも格好は、白いニットのセーターに、短めのデニムスカート。
靴下はオーバーニーの黒。

髪形は黒髪のストレートを下ろしている。

これでは、どう見たって中学生。

こちらが声を掛ける前に、向こうが気付いたようだ。

『ソラさん、おはようございます』
「もう時間帯で言えば"こんにちは"ですよ、葉月さん」
『そうですね。あの、私、行きたいランチがあるんですけど、予約したので行ってみませんかぁ?』

ノーメイク。
でも、白目の部分がほとんどないくらい大きな黒い瞳で俺を見上げるのは、先日と同じ。

良く見ると、鼻が高い。
小動物・・・ミーアキャットみたいな。

「分かりました。お任せします」
『すぐ近くですから』

と、彼女と入ったのは、ハンバーグ屋。
確か、平日は行列が出来る評判の店だ。

土曜日であるうえ、予約済みということもあり、スムーズに入れた。

『何を頼みますかぁ?』

うちの会社で会った時より、尚一層声が甘ったるいような気がするが、そこは休日モードなので仕方ないか。

「じゃ、土曜日限定の日替わりランチで」
『分かりましたぁ。すみませ~ん』

彼女の甘ったるい声は、店員を呼ぶ時には使える。
声が通るので、気が付いてもらいやすい。
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