私に恋をしてください!
あの女性のことが気になるのは、私はその人に嫉妬したってこと?
これじゃ、"ごっこ"じゃなくて私の片思いだ。

ソラの仕事ぶりを毎日見られて羨ましい。
・・・そんなの綺麗事だ。

ソラとの時間を共有できることが羨ましいんだ。

マンガを描くことよりも、私はソラと一緒にいる時間が欲しい。
そうはっきり自覚した。

夜になって、ソラからメールが届いた。

―"今日はありがとう。助かったよ。エレベーターに乗っていたのは隣の部署にいる俺の同期で、一緒に昼ごはんを食べている時に、付き合わないかと告白されてさ。彼女がいるって言っても信じてもらえなくて。葉月がエレベーターに乗っていてくれてちょうど良かった。先月と違う上司と一緒だったけど、あの後何か言われた?"―

日下部長と私の大方の予想通りの展開だった。
だから私はそのままの事実を返信した。

―"そうなんだ。話の分かる部長で良かったけど、隣の部署なのはちょっと残念だね。早く今週末にならないかな。普段の葉月に会いたいな"―

相変わらずソラの私のメールに対するレスポンスはいい。
本当に会いたいと思ってくれているのかな。
でも、私だって・・・

―"早く今週末にならないかなぁ。ソラの声が聞きたいし"―

そんな私の願いは、翌日に少しだけ叶うことになる。
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