狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】

ⅩⅩⅣ―ⅷ 初めての「あーん」Ⅰ



「ごらん、おいしそうだよ」



赤子用の椅子を自分の元に寄せ、アオイの顔が近づくと…
見つめあった二人は優しい笑みを浮かべる。愛しさのあまり、キュリオは人目を気にせず彼女に口付けしてしまいたくなる衝動にかられた。



「…私は待つよ。君が大きくなって…共に愛を育めるようになるまで」



結局、人目があっても彼女の額にキスを落としたキュリオ。女官や侍女たちは二人の親子愛を疑わず、その微笑ましい光景に目を細めている。



「じゃあ食事を始めようか」



「んきゃぁっ!」



はしゃいで足をバタバタさせるアオイ。心なしか、一日過ぎるごとに反応がよく返ってくるようになった気がする。そしてそれがキュリオも嬉しい。



「アオイ、これが何だかわかるかい?」



グラスを傾けて中を覗かせてみる。
すると…



「…?」



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