薫子様、一大事でございます!
「さぁ、行こうか」
腰に回された早川さんの手を取り乱すことなく受け入れられた。
待ち合わせ場所のラウンジには、まだ友達は来ていないようだった。
ウエイターに案内されて、見晴らしのいい窓辺のテーブルへと案内された私たちは、隣り合って腰を下ろした。
陽が落ちて薄紫色に染まった街並みに、思わず溜息を漏らす。
窓に身を乗り出して眺めてしまった。
「綺麗だね」
「はい、本当に」
夜景が美しく見えるラウンジとして有名なのも頷ける。
「薫子は夜景が好きなの?」
「キラキラするものは好きです」