メランコリック
「たいていは酒飲ませてベロベロにしてヤッちゃうらしいんだけど、藤枝は酒が飲めねぇんだろ?だから予備でカッターってか?マジでクソだな」


「それを知って、助けにきてくれたの?」


私は相良を見つめる。
相良の顔がぱっと赤くなったのが、暗い車内でもよくわかった。


「勘違いすんな。俺は杉野が気に食わなかっただけだからな。都合よく、俺の同期を食っちまおうとするのが許せなかったんだよ」


同期だなんて、都合よく使うのはあんたの方じゃない。
私はふっと頬を緩めた。


「ありがとう」


「ふん。おまえが杉野とヤリたかった様子なら、止めなかったよ」


「ありがとう、相良くん」


私たちを乗せたタクシーが私のアパートの前に着く。二人でワリカンにしてもそこそこの額になってしまった。
相良は一緒に降り、私を部屋まで送ってくれるつもりなのか、再び私の肩を抱いた。

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