メランコリック
藤枝の反応に俺はやっぱり違いを感じる。

キスした甲斐、あったかもしれない。
藤枝の中で俺の存在感、変わってないか?

俺が付き合おうって言ったから、おまえは「二人で行かない」なんだろ?


俺は俄然やる気を出して、言い放った。


「じゃ、二人はやめる。終わったら、連絡しろ。他のヤツと待っててやるから」


「え、それも……」


「いいから。絶対連絡しろ、わかったな」


俺の厳命に困った顔をしながら、藤枝はオフィスに戻って行った。俺はスマホを取り出し、品川店の緑川笙子に電話をかけた。
藤枝と親しいヤツで思いつくのなんか、緑川くらいだ。

幸いにも緑川は今日休みで、すぐに捕まった。夜は用事がないというので、すぐに集合させ、17時過ぎには近くのダイニングバーに落ち着いた。
あと15分ほどで本社の定時だ。

藤枝の部署はあまり残業のあるイメージじゃない。
問題なければ、定時過ぎには電話があるだろう。
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