メランコリック
「にしても、驚くんだけど」


緑川が早々ビールをグラスで傾けながら言う。


「汐里とごはんに行くから、私も呼ばれるって……あんたたちいつからそんなに仲良かったの?」


緑川の感想はもっともだ。
俺と藤枝の不仲は、俺の仲間内は全員知っているし、知らない同期だって何となく察している様子だ。
緑川だって藤枝から何らかの相談を受けていれば知っているはず。


「仲イイわけじゃねーよ。あいつが二人きりじゃメシに行かないっつうから、緑川を呼んだだけ」


「ねえ……、その言い方だとさ。まさかとは思うけど……」


緑川がぐっと顔を近づける。やっぱこいつ美人なんだよな。


「汐里のこと狙ってんの?」


咄嗟に否定の言葉が口をつきそうになった。


バカじゃねーの?あんな女をなんでだよ。

俺の仲間にならそうやって否定するしかない。

でも、緑川ならどうだろう。
こいつには嘘をついて強がるより、本音を言っておいた方が得じゃないか?
< 122 / 220 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop