メランコリック
藤枝と親しくメシを食いにいく仲になったなんて、同期は緑川以外、誰も信じないかもしれない。
でも、いいんだ。
今度、誰かに「なんで藤枝?」っつう質問をされたら、堂々と答えればいい。

好きになったから、今、汚名返上中って。

島田からはそれ以上質問の内容は来なかった。
兵頭のバカ女は置いといて、俺は藤枝のことを考えた。


藤枝は難攻不落だ。
俺のいじめ問題を別にしたって、あいつ本人が恋愛する意思がない以上、俺の正攻法でのアプローチは期待薄。

そうだ、今日は少し方針を変えてみよう。
あいつの心を少しでも揺らせればいい。少しでも乱せれば価値はある。

俺は帰り道を楽しみにミーティングルームに向かった。



「何、言ってんの?」


二人での帰り道、電車の中。
藤枝の怪訝な顔。
もう、そんな態度は慣れているけど。
俺はさっぱり堪えていない風で、もう一度言う。
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