メランコリック
「俺は、どこにも行かない」


「駿吾……」


「何度でも誓う。おまえが好きだ。どこにもいかない。汐里が安心できるまで何度だって誓ってやる。嘘だったら、おまえが俺を殺せばいい。そしたら、ずっとおまえのもんだし、ずっと一緒だ」


私は駿吾にキスをし、彼の身体をしっかりと抱き締めた。
私の抱擁を、駿吾の腕がさらに強く結びつける。

たとえ、これが刹那のものでも、
淡雪のように消えてしまうものでも、
今この瞬間、私は幸福なひとりの女だった。








夜が明ける。

私はベッドで深く眠る相良駿吾を見下ろした。
安らかな寝息はずっと聞いていたくなる心地よさ。
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