メランコリック
近付く俺に汐里が気付く。
驚いたように目が見開かれたのは一瞬、
すぐにその目は苦笑いの形に細められた。


「久しぶり」


先に口を開いたのは汐里で、俺は困ったように目をそらした。


「仕事のあと、少し時間あるか?」


汐里は頷いた。


「あと、30分くらいで上がりだから」


仕事を終えた汐里は、エプロンを外しただけの姿で現れた。薄いスカートにTシャツ。相変わらず地味だけど、汐里らしい服装だった。

ぶらぶらと駅ビルから出て知らない道を歩き出す。
汐里が横に並んで言った。


「あっちに大きい公園があるんだ。行ってみない?」


俺は頷き、再び歩き出す。


「元気にしていた?」


歩きながら、汐里が言った。
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