メランコリック
私からしたら全部一緒だ。
悪意に大小はない。
そして、どちらも私にはたいして影響しない。

今、考えているのは明日が休みでよかったってことくらい。
ヘアサロンにこの中途半端に短くされた髪のカットに行けるから。


「じゃあ、お疲れ様」


私は相良の横を通り抜け、帰ろうとする。こんなにびしょぬれでは、電車はダメだろう。
タクシーは乗車拒否しないだろうか。
着替えを買った方がいいかもしれない。まだ開いているお店はあるはずだ。


「待て、バカ」


相良が焦った様子で私の腕をつかんだ。


「俺が送る。そんなカッコで帰れねぇだろ?」


私は首を振った。


「いい。ひとりで帰れる」


「おまえ、自分がどんなカッコしてんのかわかんねーんだろ?レイプされたみてぇにぐしゃぐしゃなんだよ!」


それは言いすぎだろう。ただ水に濡れて髪の左側が不自然に短いだけ。
……異常な格好であることは間違いない。
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