メランコリック
「ここで待ってろ。5分で戻る」


相良はぎりっと私を睨み、路地から飛び出していった。
次に戻ってきた相良は、買ってきたばかりに見える大判のバスタオルを私に巻きつけた。


「タクシー、そこで待ってるから。早く来い」


相良は私の歩みを待ちきれないように、強引に私の肩に腕を回した。
引っ立てられるように歩く私は、相良にタクシーに押し込まれる。


「寒くないか?もう少しだからな」


タクシーの中でも相良はずっと私の肩を抱き、身体同士をくっつけていた。
私に体温を分け与えたいとでもいうように。

相変わらず相良はわけがわからない。
自分で仕掛けておいて、自分でフォローするなんてバカみたい。

彼は彼のルールの中だけで私をいじめたいんだろう。
それからはみ出すと途端に罪悪感を覚える。
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