甘い時 〜囚われた心〜
雛子が落ち着きを取り戻した頃だった。

「よし!今日は気分転換に沢山買い物しちゃお!」

雛子の手を取り、車を飛び出た。

慌てたのはボディーガード。

二人に巻かれないように後ろを着いてくる。

目的地だった場所からも飛び出て、街中を手を繋いで歩いていく。

男女問わず振り替える。

雛子も鈴音も誰がどう見ても系統は違うが美少女だ。

小さくか弱い印象の雛子

モデル並みの背丈と容姿の鈴音

過ぎ行く人が皆振り替えるのも分かる。

声をかけようとする者をボディーガードが睨み付け遠ざける。

そうして、街中を歩き回ってはしゃいでいた時、いきなり、雛子が立ち止まった。

繋いでいた手が離れる。

「雛子?」

呼び掛ける鈴音の声が聞こえていないのか、真っ正面を見据えている。

鈴音も前方に目を向けた。

そこには雛子の方をジッと見つめる二つの影がいた。
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