甘い時 〜囚われた心〜
久しぶりに帰ってきた屋敷。
生まれてこの方、こんなにこの家を離れる事があっただろうか…
家を離れていた時間が長いようで短いようで…
懐かしくて、キョロキョロしていた。
通された客間に正座して座った。
しばらくすると、自分を追い出した晋也と娘の祐希奈が入ってきた。
「久しぶりだな」
「はい…お久しぶりです…叔父様…」
軽く頭を下げる。
目の前にいる叔父を、ついジッと見てしまう。
やはり兄弟なだけはある。
雛子の父にソックリだった。
日本人離れした洋風な顔立ち。
男とは思えない色っぽさ。
切れ長な目は時に冷徹に無言の圧力をかける。
しかし、今、自分を見つめる目は、いくら父に似ているとは言え別人。
父の雛子を見つめる目は、愛情に溢れていた。
「だんだんと母上に似てきた…」
雛子は、母似。
雛子の母は着物が似合う、とても綺麗な人だった。
しかし、体が弱く、雛子を産んですぐに亡くなった。
生まれてこの方、こんなにこの家を離れる事があっただろうか…
家を離れていた時間が長いようで短いようで…
懐かしくて、キョロキョロしていた。
通された客間に正座して座った。
しばらくすると、自分を追い出した晋也と娘の祐希奈が入ってきた。
「久しぶりだな」
「はい…お久しぶりです…叔父様…」
軽く頭を下げる。
目の前にいる叔父を、ついジッと見てしまう。
やはり兄弟なだけはある。
雛子の父にソックリだった。
日本人離れした洋風な顔立ち。
男とは思えない色っぽさ。
切れ長な目は時に冷徹に無言の圧力をかける。
しかし、今、自分を見つめる目は、いくら父に似ているとは言え別人。
父の雛子を見つめる目は、愛情に溢れていた。
「だんだんと母上に似てきた…」
雛子は、母似。
雛子の母は着物が似合う、とても綺麗な人だった。
しかし、体が弱く、雛子を産んですぐに亡くなった。