冷血上司の恋愛論
「興味がわいたって言ったら?」


俺は女の様子をうかがいながらウザくないように疑問形で聞いてみた。


内心のドキドキを隠してはいるが、ぴったりとくっついた身体から伝わっているかもしれない。


「それは困る」


あぁ、やっぱりそうだよな。
俺が興味があるくらいだ、男がいないわけがない。


「だよな。カレシにバレたらまずい……か」


ガッカリしても顔に出すことなくたんたんとした口調で装う。


「そうじゃなくって、私、フラれたばっかだから」


成る程、傷心ってヤツか。


「男にフラれて寂しくて、ちょうどいいところに俺が現れて、慰めて欲しくなったって?」


「…………」


「図星?」


「女子会兼ねた傷心旅行。短絡的でしょ。笑いたければどーぞ」


自嘲した女を思わず腰をあげて上から覗きこんだ。


俺の視線に気づいたはずなのに、横を向いて目を合わせようとしない。
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