私と執事

そんな事覚えてるわけないと、思ってたのに、
「あれ、これ知ってる。………でも何で知ってるんだろう」
彼女は朧気に覚えているようで。
私は図書整理を続ける。
思い出したら、その時に何かをからかってあげよう。
また、あの時みたいに頬を膨らませるんだろう。

そうだ、
「………貴方に、読み聞かせてもらったんだ」
「貴女が頬を膨らませてねだったので、冒頭を少し。案外あっさり思い出したんですね」
「覚えていたの?」「ええ」
「なら早く言ってよ」「嫌です」

ほら、頬を膨らませて。
「貴女は今も昔も癖は同じですね」
頬をつついたら、真っ赤になって睨む。
可愛いくて仕方ないから、
「読書感想文でも書かせますよ」
そんな事を言って彼女を図書から追い出して。

捗らない図書整理を続ける。
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