「お前は俺のモノ」【完結】
「…で、どうなの?」
「え?」
ドラムを叩いて話す二人には、聞こえないボリュームでそう言う章吾さん。
だけど、浮かぶのはハテナマーク。
何がだろう?
「え。葵といい感じなんじゃないの?」
「え?誰がですか?」
私の言葉に目を真ん丸にする章吾さん。
「俺、てっきり。そうか。うーん。
あ。じゃあさ、葵の事どう思う?」
「葵兄?」
ちらっと葵兄の事を見る。
真面目な顔で楽譜を見て、雅人さんと話していた。
「…私にとって葵兄は優しいお兄ちゃんって感じで」
「……そうかあ」
腕を組んで、眉根を寄せると章吾さんはぽつりと呟く。
「まあ、さっきのはあんま気にしないで。さって。練習再開しようか」
「はい」
ぽんぽんと私の頭を撫でてからにっこりと微笑むと、章吾さんは雅人さんと葵兄の元へと向かう。
二人の輪に入り、笑い合うと再開しようかと皆が位置につく。
私も慌ててマイクを持った。