「お前は俺のモノ」【完結】
「っ!?」
吃驚しながらその相手の顔を見た途端、私の目は大きく開いて行く。
だって。
そこには存在しないはずだ。
「………」
私の腕をがっしりと掴んで、見下ろす彼。
……それは私が求めていた…アキラだった。
「……ど、う、し」
どうして?そう聞きたいのに、言葉がうまく出て来ない。
私の問いなどどうでもいいのか、強引に連れて行こうとする。
だけど、その彼の腕を葵兄が掴んだ。
「ちょっと、いきなり何ですか?」
彼を睨みつけて、そう言う葵兄。
一度ちらっと葵兄を見ると、またどうでもいいのか彼は私を引っ張ろうとした。
そんな彼から強引に私を奪い返すと、私の前に葵兄が立つ。
横には雅人さんに章吾さん。