「お前は俺のモノ」【完結】
「お前、何なんだよ」

「……はあ、めんどくせ。そいつ返せ」


髪の毛を掻き上げて、至極だるそうに彼が言う。
葵兄は凛として、私の前を動こうとしない。


私はと言うと、全く以て頭が働いていなかった。


…だって、彼は私を拒絶したんだ。



家にだって帰って来なかった。

女の元にいた。


私に自由にしていいって言った。


なのに、これは。

今の現状は何?


気付けば私の手が、震えている。
何でだかわからない。

また何かしてしまったって言う恐怖なのか。
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