「お前は俺のモノ」【完結】
「……お前は、俺のモノだろ?」
「……」
そう言う、彼の顔は今までにないぐらいに辛そうで。
私まで苦しくなる。
「何で他の男と笑い合ってるんだよ?」
「……」
「好きにしていいって言ったが、男と会っていいだなんて言ってない」
「……」
何て、勝手なんだ。
なのに。
どうして、こんなに嬉しく感じるんだろう。
「…も、どうしたら、いいか、わかんね…」
ぎゅうっと彼が私をきつくきつく抱き締める。
呼吸もしにくいぐらいに。
暫く私の肩に顔を埋めていた彼は、そっと私を離した。
「…帰るか」
それにコクリと頷く。