「お前は俺のモノ」【完結】
あ、携帯。
確認すると、陽子と葵兄から連絡が来ていた。
陽子はどうしたの?って昨日と変わらず、心配する内容。
葵兄は、来週の事についてだった。
それに返信してる余裕はなさそうだから、とりあえずバッグに一緒に詰めた。
簡単に詰めると、私は部屋を出て行こうとドアノブに手をかけた。
……もう、戻って来れないのかな。
一度、部屋の中を見渡す。
慣れ親しんだ、この部屋との急なお別れ。
何だろ。
もう、何も感情が出てこない。
「バイバイ」
誰に言うでもなく、私はそう呟くと部屋を後にした。
私の荷物を見ると、それを彼が持ってくれた。
トランクにバッグを放り投げると、私に乗れと顎で促す。
私は、玄関に立つ母親の顔を一度も見ずに助手席に乗り込んだ。
車を発進させた後、運転する彼に向って話しかける。