「お前は俺のモノ」【完結】
「…メイクもしてないし、髪の毛もぼっさぼさだよ…?
多恵、恰好はカジュアルだけどさ、そういうの欠かした事…なかったでしょ?
私、そういうとこ、凄いなって思ってたのに。
…一体、どうしたの?」

「…陽子」


そういうとこ、見ててくれてたんだ。

どう、説明したらいいのか…わからない。


私は彼に、買われました。
だなんて、言えない。


「とりあえず、トイレ行こう、トイレ」


陽子は私の腕を掴むと、強引にトイレへと連れ込む。
それから、バッグの中身をガサゴソと漁る。


「よかった、今日色々持ってきてて」


そう言いながら、クシを出すと私の髪の毛を梳かしてくれた。
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