「お前は俺のモノ」【完結】
…複雑な気持ちだ。
それが嬉しいだなんて思わない。
彼が、人として接してくれてたなら嬉しいって感情が沸くかもしれないが。
これは、ペットとしてなんだって思ったら。
惨めに思えて仕方ない。
運ばれたオレンジシャーベットを、ぺろりと平らげるとすぐに彼は伝票を持って立ち上がった。
当然の様に支払いを済ませると、さっさと駐車場へと向かう。
「あの」
「…何?」
だるそうに振り向くと、彼は私を見る。
「…お金」
「いらねえし。つか、お前金ねえだろ?」
ないわけではないけど、あるわけでもない。
返答に戸惑っていると、彼は私に近付くと目の前で止まった。
それから、私の髪の毛を一束掬って取る。
「それにペットに飯を食わせるのも、飼い主の義務だろ」
髪の毛にちゅっとキスを落とすと、彼は踵を返して車へと向かって行った。