離してなんかやるかよ。

心の奥では報われたいけど


でも颯への恋心が



あたしをこんなに大勢の人の前で



素直な気持ち言えるぐらいに


成長させたんだ。



それは変わらないから



あたしはフラれても颯に恋したこと告白したことに後悔しない。




告白成功した女の子が男の子と手を繋いでステージ裏に来た。



…いいなぁ。



あたしと颯は付き合ってた時、手繋いたことなかった。



手を颯と繋いでみたいなぁ…。



だけど怖い。



手繋げるのは理想に過ぎない気がする。



理想と現実は遠い。


あたしも颯と手を繋いでみたいけど自信がない、怖い。



足が硬直して


今膝カックンされたら確実に前に倒れる気がする。



「エントリーNO.9!2年の宇佐美柚來さんです!」



MCの人がステージでそう言ってるけど声が聞こえてるのに



すごく声が遠くから聞こえてる気がして



足が動かない。



ステージに立って今持ってるトリュフを颯に渡さなきゃ


告白しなきゃ…。



解ってるのに足が前に進まない。


緊張で体が全く動じない。



「白雪姫ちゃん!柚來ちゃん!宇佐美さん!宇佐美柚來ちゃん!」



え…。


その時、前から松本くんからほっぺを抓られた。



「レッツエンジョイカモンベイベー!」



松本くん…。



なに言ってるの…。



「ほら笑って!颯もいるよ。体育館に来てるよ。だから頑張れ、好きって言えよ。俺も言うから」



あ、そっか。


あたしには仲間がいる。

フラれても支えてくれる仲間がいる。


怖がってても時間の無駄だ。


ダメもとでも告白しないと。


ぐずぐず好きって想いずっと秘めてるのも


不快じゃん。納得いかないじゃん。


好きになったらいっそのこと伝えよう。



ダメもとでも伝えよう。


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