愛していると言わないで。
私の目の前に降ってきたその男は、やたらと面白そうにこっちを見てきた。
「新入生?可愛いね~」
にこにこと笑いながら話しかけてくるが、気持ち悪いのでやめて。
「……」
ずっと黙ったままの私に、その男はいきなり名乗りだした。
「俺は、櫻妥優斗。二年だよん」
さくらだゆうと……?
頭のなかで今聞いた単語を反復しながら、首をかしげる。
こんなことなら、不良チームについても調べておけばよかった。
「知らないでしょ?」
ここで嘘をついても仕方ないので、睨み付けたままこくん、とうなずく。
「ふっははっ、面白いね!うんうん正直でいいよ!」
うるさい。テンションが高い。
「ねぇねぇ、俺と付き合わない?」