駆け抜けた少女-番外編-


「だっ駄目ですよっ!!平助さん抑えて抑えて!!」

「そうだぞ平助!!んな物騒なもん、部屋の中で振り回すんじゃねぇよ!!」

「へえ、あんたにそんな常識あったんだね?じゃあ、殺すのは止めてあげるから、その腹の傷抉るくらいいいんじゃない?」

「いや~っ!それ、確実に殺そうとしてますよねーっ!?」




グイグイと原田さんとの距離を縮めて行く平助さんの力を抑えてきれなくて、原田さんは廊下に逃げるもんだから平助さんにしがみついているあたしも廊下に出て行ってしまう。



寒いしっ!!




「平助!いい加減にしろって!小さいのは今に始まったことじゃねぇし気にするな!!」

「…一度ならず二度までも…」

「煽ってどうするんだああああっ!」



ゴオオオオオオと平助さんの怒りが鰻登りに上昇しかけたその時、天は私を見放さなかった。







「いい加減にするのはお二人共ですよ!」




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