冷徹執事様はCEO!?
『では話が決まったところで、田中くんに代わってくれ』

きっと、業務命令を下すのだろう。

「パパが代わってだって」私はスマホを田中に差し出した。

田中は部屋の隅に場所を移動し、何やらボソボソとパパと話をしている。

きっとレセプションの出席を渋っているのだろう。往生際の悪いヤツめ。

暫く抵抗したようだが、結局パーティーの同伴を承諾したようだ。

やはりパパの言う事は絶対である。

田中は携帯を切るとこちらへ鋭い視線を向けてきた。

「燁子様、やってくれましたね」

「あら、何の事?」私はすっとぼける。

「私もパーティーへ行く事になったじゃないですか」

田中が目を細めて恨みがましい視線を向けてくる。

「あら、そうだったの?貴方が一緒なら心強いわ」

私はにっこり笑顔でかわした。

「ああ、そうだ!ドレスを買いに行かなきゃ!田中付き合ってくれる?」

「えー…」

田中は嫌そうに顔を顰めた。

こいつは本当に執事なんだろうか。

「ワンワールドのパーティーよ?だったらワンワールドの服を着ていかないとね。勿論、田中も!」

「…はあ…」なんとも腑抜けた返事をした。

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