冷徹執事様はCEO!?
さっそく、赤ワーゲンに乗って最寄りの百貨店へ向かった。

ワンワールドは4階のレディースフロアに展開しており、カジュアルからフォーマルまでハイセンスなデザインの服がラインナップされている。

その中から、クラシカルな黒のパンツスーツを選び、早速試着してみた。

「じゃん!」

着替えてフィッティングルームから出ると、田中が待ち合い用のソファーに腰掛けていた。

私の黒のスーツ姿を見て首を横に振る。

「…転職活動っぽい」

次に着たのは、サーモンピンクのフリルがついたワンピース。

「どうかしら?」

相変わらず退屈そうな顔でソファーに座る田中に尋ねた。

またもや田中は首を横に振る。

「年増のキャバ嬢っぽいです」

その後も深紅のロングドレスは「服に負けてる」、

ブルーのエンパイアドレスは「寝巻きっぽい」、

ミニの白いレース素材のワンピースは「なんか下品」、

全てダメ出しされた。

お人好しそうな女性の店員さんもさすがに気の毒そうな顔をしている。

「彼氏さんイケメンですけど厳しいですね」

「彼氏じゃありません。ビジネスのお付き合いです」

「はあ…?」

女性店員は不思議そうにポカンと口を開けて相槌をうつ。

仕事じゃなかったら田中は買い物なんて絶対一緒に来ないだろう。
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