冷徹執事様はCEO!?
ため息をついて黒のロングドレスを試着する。

スレンダーラインで肩から胸元にかけてレース素材になっているシックなデザインだ。

鏡に映った姿を見ると、我ながらよく似合っている。

あ、なんかいいかも

恐る恐る、試着室から出て田中にお披露目する。

「ど、どう?」

田中は顎に手を当ててジッとドレスを見据える。

「回って下さい」

言われた通りぐるりと回って見せると、フンワリと裾が広がった。

「うん、お似合いです」

田中はにっこりと微笑んだ。

女性店員も思わず見惚れて、ホウとため息をつく。

私じゃなくて、田中の笑顔に。

「次は田中のスーツを選びましょ」

「…今日の所はもういいんじゃないでしょうか。帰って夕飯の用意をしなけれいけないので」

田中は長い買い物に付き合わされ、くたびれたようだ。覇気が全くない。

「ダメよ!田中もちゃんとワンワールドで揃えなきゃ!」

「スーツならワンワールドのを何着か持っています。それで気に入らないようでしたら、平日空いている時にでもまた買いに来ますので」

「でも私ばかり選んで申し訳ないわ」

「それなら、お茶をご馳走してください」

「わかった」私はにっこり微笑んだ。

お気に入りの1着を持ってご機嫌にレジへと向かう。
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