冷徹執事様はCEO!?
目を開けるとすぐ近くに田中の顔があった。

なめらかな肌に、長い睫毛。

間近で見ても田中はやっぱり美しい。

田中はそっと唇を離すとにっこり笑う。

「うん、綺麗になりました」

「ありがとう」私もつられてはにかんだ。

…いやいや、ちょっと待て

「今キスした?」

「ハイ。燁子様が期待されているようだったので」

「してないわよ!このエロ執事!」

私は真っ赤になって言い返す。

「おや、私の勘違いだったようですね。失礼しました。もう二度といたしません」

田中は深く謝罪する。

「そ、そんな気にしないで。別に嫌だった訳じゃないから。ちょっと驚いただけよ」

「それを聞いて安心しました」

田中は嬉しそうににっこりと笑った。

あんな衝撃的な出来事があったのにもかかわらず、その笑顔にときめいてしまう。

自分の切替の早さには驚きだ。

果たして二度目はあるのだろうか。
< 121 / 277 >

この作品をシェア

pagetop